バッテリフリーRFIDセンサーの開発
バッテリフリーRFIDセンサーは限られた電力で動作し、無線通信を行う先端技術です。本記事では、Farsens社およびAsygn社が提供するICや開発キットを活用した効率的な設計方法を解説します。無料の設計ファイルやテスト用ソフトウェアも紹介します。
効率的なバッテリフリーRFIDセンサーの開発方法
バッテリフリーRFIDセンサーファミリーを独自に開発する際は、RFID開発キットを使用することで開発期間やリソースを大幅に削減できます。
基本的な電子工学や低消費電力、無線通信に関する知識があれば、独自のワイヤレスバッテリフリーセンサーを設計可能です。限られた電力供給と無線通信の両立が課題ですが、適切なアーキテクチャとICを選べば効率的に進められます。
RFID開発キットを活用するメリット
バッテリフリーRFIDセンサー開発では、まず用途に合ったRFID ICやコンポーネントを選定した上で開発キットを用いた検証を行うと効率的です。
特に、キットに付属する表示ソフトウェアやサンプルコードを活用することで、PCBアーキテクチャの知識がなくてもプロトタイピングできます。
また、一部のメーカーはBOM(部品表)やアーキテクチャ、レイアウトファイルなどの設計資料を公開しているので、独自ソリューションを開発する際にも大きな助けとなるでしょう。
アプリケーションに応じた選定
RFID ICにはさまざまな種類が存在し、用途に合わせた選定が重要です。センサーを組み込みたい場合は、 センサー搭載用に最適化されたICや評価用ボードを提供するメーカーを探しましょう。Farsens社やAsygn社は、バッテリフリーのRFIDセンサー関連の開発リソースを豊富に提供しています。
Farsens社の無料リソース
Farsens社はバッテリフリーRFIDセンサー向けに、BOMやガーバーファイルを含む設計資料を無料公開しています。
以下のIC開発キットは、迅速なテストを行うためのハードウェアやサンプルを備え、効率的な開発を後押しします。
IC開発キット:MedusaとSpider
Farsens社の「Spiderタグ」は独自のROCKY100 ICとスタートアップ回路が一体化された評価用ボードです。簡易的な動作確認やデータ取得に適しており、導入ハードルが低い点が特長です。
一方「Medusa」にはMSP430低電力マイクロコントローラが含まれ、ファームウェアレベルでセンサー処理を行う応用的な開発に向いています。
無料テスト用ソフトウェア
バッテリフリーセンサータグを標準的に扱うソフトウェア環境はまだ整備途上ですが、Farsens社はOSや機種に合わせたテスト用ソフトウェアを無償提供しています。
まずはRFID開発キットと組み合わせて、電池不要のセンサータグを使った基本的なデータ取得や動作確認を行うとスムーズに開発を進められます。
Asygn社のRFIDセンサーチップ
Farsens社と同様に、Asygn社もRFIDセンサーチップを提供しており、バッテリーレス環境での運用を想定した開発に最適です。
Asygn社の詳細をご覧いただくと、各種センサー集積の可能性や低消費電力化の工夫が確認できます。両社のICや評価用ボードを比較検討することで、より自社の要件に合ったソリューションを選択できるでしょう。
開発者にとって、豊富なドキュメントとサポートはプロジェクト成功の鍵です。Farsens社、Asygn社ともに、評価用ボードや開発ツールで開発を強力にサポートしてくれます。