ハンドヘルドRFIDリーダーの種類と選択方法

2023/05/07
2025/01/18

要約:ハンドヘルドRFIDリーダーの導入時に押さえておきたい形状・オペレーティングシステム・読取距離・バッテリ寿命・堅牢性・拡張性を中心に解説します。使用環境やビジネス規模に合わせた最適な選択方法や注意点について、具体例を交えながら紹介します。

ハンドヘルドRFIDリーダーの特徴とメリット

ハンドヘルドRFIDリーダーは、固定リーダーが設置できない場面でのデータ収集に非常に有用です。資産追跡、在庫管理、ファイル追跡など、さまざまなシーンで活躍します。

形状による分類

ハンドヘルドRFIDリーダーは、形状や機能が多彩です。オールインワンのハンドヘルドコンピュータタイプなら、OSやタッチスクリーン、カメラ、GPSなどを内蔵し、2DイメージャーやWi-Fiなどのオプションを追加できる柔軟性があります。また、Bluetooth接続タイプなら、手持ちのスマートフォンやタブレットと組み合わせて利用できます。

  • スレッドデバイス:スマートフォンと連携し、オールインワンに近い機能を実現。
  • ウェアラブルハンドヘルドリーダー:手首に巻き付けるタイプで、ハンズフリー作業に便利。
  • キーフォブハンドヘルドリーダー:キーチェーンやポケットに取り付け可能で携帯性が高い。

さらに、ピストルグリップ付きなら片手操作がしやすく、トリガーで素早くスキャンできます。人間工学的にも優れたモデルが多く、倉庫や工場など長時間の作業でも疲れにくいのがメリットです。

図: ハンドヘルドRFIDリーダーの一例

プラットフォームとオペレーティングシステム

ハンドヘルドRFIDリーダーのOSは、バックオフィスシステムとの連携に大きく関わります。現在はAndroidが主流となっており、アプリ開発やソフトウェア更新において柔軟に対応しやすい点が魅力です。

読取距離・読取範囲

リーダーの形状によって読取距離は変わります。小型デバイスは取り回しが良い反面、読取距離が短い場合があります。逆にスレッド型やオールインワン型は長距離・広範囲の読取が可能ですが、コストが高めです。また、線形アンテナ搭載モデルの場合、タグの向きによって読取り性能が左右される点にも注意が必要です。

バッテリ寿命と使用環境

バッテリ駆動時間は使用場所や作業内容に大きく左右されます。屋内の店舗やオフィスであれば充電環境が整っているため問題になりにくいですが、屋外や倉庫・工場など、充電しにくい環境で使う場合は長時間稼働が重要です。一日中利用できるバッテリやホットスワップ機能対応モデルを選ぶと、作業効率を大きく高められます。

堅牢性とIP等級

使用場所が埃っぽい倉庫や屋外作業の場合、防塵・防水性能を示すIP等級が高いモデルがおすすめです。オールインワンタイプは落下に強く、部品の分離が起きにくいため、過酷な現場での耐久性が高い傾向にあります。

IP等級は、電子機器が埃や水に対してどれだけ保護されているかを示す国際的な標準です。米国IEC規格60529および英国規格EN 60529に基づいて、IP00からIP69の範囲で評価されます。

IP等級は2つの数字で表されます。第1の数字は、固形物に対する保護を示し、第2の数字は、水に対する保護を示します。これは、機器がどれだけ堅牢で、さまざまな環境条件下での性能を維持できるかを示します。

人体及び固形物に対する保護:

第一記号(人体・固形物) 第二記号(水の侵入)
記号 保護内容 記号 保護内容
0 無保護 0 無保護
1 直径50mmより大きい固形物に対する保護 1 鉛直に滴下する水に対する保護
2 直径12mmより大きい固形物に対する保護 2 鉛直から15°以内から滴下する水に対する保護
3 直径2.5mmより大きい固形物に対する保護 3 鉛直から60°以内からの散水に対する保護
4 直径1.0mmより大きい固形物に対する保護 4 任意の方向からの散水に対する保護
5 塵挨の侵入の制限
(正常な動作や安全性を阻害するような粉塵の侵入に対する保護)
5 任意の方向からの水の噴流に対する保護
6 防塵
(塵挨に対する完全な保護)
6 任意の方向からの水の強い噴流に対する保護
- - 7 一時的な水没に対する保護
- - 8 加圧条件下での長時間の水没に対する保護

例えば:
IP54とは塵挨の侵入の制限と任意の方向からの散水に対する保護
IP65とは防塵 (塵挨に対する完全な保護)と任意の方向からの水の噴流に対する保護
になります。

屋外、屋内、および極端な温度状況のアプリケーションでは、高いIP保護等級および/または広い動作温度範囲を持つリーダーが必要になります。

アップグレードと拡張性

後からバーコード読取機能を追加したり、バッテリ容量を大きくしたりと、ハンドヘルドRFIDリーダーには拡張性の高いモデルもあります。ソフトウェアのバージョンアップやピストルグリップなどのオプション追加で、買い替えを最小限に抑えられる点も導入メリットのひとつです。

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