RFIDによる検索機能の最善策
要約:本記事では、RFID技術を活用したガイガーカウント(検索機能)に関する基本原理や実装手順を詳しく解説します。倉庫や製造現場など密集環境におけるアイテムの迅速な位置特定を可能とし、最適なリーダー選定のポイントも紹介します。
RFID技術によるアイテム位置特定の重要性
製造現場や倉庫では、多数のアイテムを正確に追跡し、必要なときに素早く取り出すことが求められます。RFIDを活用したガイガーカウント(検索機能)は、 特定のタグを効率的に見つけ出すうえで非常に有効な手法です。本記事では、この技術を実現する基本的なメカニズムとアプリケーション開発手順、 そして最適なRFIDリーダーを選定するためのポイントを解説します。
ガイガーカウント(検索機能)とは
ガイガーカウントは、特定のRFIDタグの位置を特定するために用いられる機能です。多くのモバイルRFIDリーダーには、 「カチカチ」という音(ビープ音)で対象タグとの距離を示すソフトウェアが搭載されています。 この名称は、リーダーがタグに近づくにつれ音の頻度が増す様子が、放射線計測器「ガイガーカウンター」に似ていることから名付けられました。
この機能を活用するためには、すべてのアイテムにアイテムレベルでタグを付けておく必要があります。 ガイガーカウントを使えば、密集した環境でもハンドヘルド型のリーダーを用いて素早く特定のタグを見つけることが可能です。
ガイガーカウント(検索機能)の基本原理
ガイガーカウントでは、基本的にタグから返ってくる電波強度であるRSSI値を用いて、タグとの距離を推定します。 さらにリーダーの電波出力を適宜調整しながらRSSI値を確認することで、位置特定の精度を高めています。
- RSSI値が高いほどリーダーとタグの距離は近い
- 出力電力を段階的に変えながら精度を向上させる
- 単一アンテナモードが一般的だが、複数モードがあるとさらに精度向上が期待できる
ガイガーカウント(検索機能)アプリケーションの開発手順
実際にガイガーカウントを実装する際の流れは次のとおりです。
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EPCコードによるインベントリの実行:
- セッション0を使用し、すべてのクエリに応答可能なタグを対象とする
- 特定のビットパターンを持つタグのみインベントリ可能
- 検索機能を実装するにはセッション0が必須
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RSSI値のバッファリング:
- タグを読み取れた場合は取得したRSSI値をバッファに保存し、平均を算出
- タグが表示されない場合はスケールされたRSSI値0をバッファリング
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電波出力の自動調整:
- 平均RSSI値が高い場合はリーダーの出力電力を1dBm下げる
- 平均RSSI値が低い場合はリーダーの出力電力を1dBm上げる
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UIスレッドでのビープ音・表示更新:
- 100msごとにビープ音や表示を更新するタイマーを用意
- 別スレッドでビープ音を管理し、RSSI値に応じて頻度や音程を調整
- タグが見つかった場合は1568Hz、見つからない場合は1046Hzを鳴らす
最適なRFIDリーダー選定のポイント
多くのモバイルRFIDリーダーが検索機能に対応可能ですが、高精度な位置特定を目指すならリーダーのアンテナ性能も重要です。 アンテナビームが狭い(指向性が高い)リーダーを選ぶと、ピンポイントでターゲットを捉えやすくなります。無指向性のリーダーを使う場合は、 ソフトウェアでビームを制御するなどの工夫が必要です。
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