技術

UHF帯RFID ICチップの比較と選定

最新ICの特性と選び方:各社チップ比較

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UHF帯RFIDのICチップ比較表

この記事の要約

UHF帯RFIDのICチップは、Alien Technologies、Impinj、NXPなど主要メーカーから多彩な製品が提供されています。本記事では、周波数、メモリ容量、受信感度などの仕様を詳細な比較表で解説し、用途に応じた最適なICチップ選定をサポートします。

この記事で分かること

  • 主要メーカー別のICチップ仕様比較
  • EPC、ユーザーメモリ、TIDの容量と特徴
  • 受信感度と動作温度の違い
  • Gen2/Gen2v2規格への対応状況
  • 並べ替え可能な詳細比較表

ICチップ選定の重要性

RFID技術は年々進歩し、多彩なICチップが市場に投入されています。特にUHF帯RFIDで使用されるチップは、高い読み取り範囲と豊富なメモリ容量を備えており、様々な業界・用途に対応可能です。

ICチップの選定は、RFIDシステム全体の性能を左右する重要な要素です。読取距離、メモリ容量、セキュリティ機能など、用途に応じた最適なチップを選ぶことで、システムの効率と信頼性が大きく向上します。

主要メーカー別ICチップの特徴

UHF帯RFIDのICチップ市場では、以下の3社が主要なシェアを占めています。

  • Alien Technologies(Higgsシリーズ):大容量ユーザーメモリと柔軟な設定が特徴。Higgs-9は688ビットのユーザーメモリを提供。
  • Impinj(Monza/Mシリーズ):高感度チップに強み。M830は-25.5dBmの業界最高クラスの感度を実現。
  • NXP(UCODEシリーズ):セキュリティ機能が充実。UCODE DNAは暗号化と認証機能を搭載。

ICチップの仕様比較表

以下の表では、周波数やEPC、ユーザーメモリ、受信感度など、タグを選ぶ上での主要な仕様を一覧化しています。
並べ替え機能を利用して、最適なチップを効率的に探すことができます。

メーカー ICチップ 周波数 EPC ユーザーメモリ TID 設定 受信感度 動作温度 規格
Alien Higgs-3 860~960 96 512 64 EPC: 96 -480 bits
User: 128 -512 bits
-18 -50~85 Gen2
Alien Higgs-4 840~960 128 128 64 Not Configurable -19 -50~85 Gen2
Alien Higgs-EC 840~960 128 128 48 N/A -20 -50~85 Gen2
Alien Higgs-9 840~960 96 688 48 EPC: 96-496 bits
User: 192-688 bits
-20 -50~85 Gen2
Impinj Monza 4D 860~960 128 32 96 N/A -19.5 -40~85 Gen2v2
Impinj Monza 4E 860~960 496 128 96 N/A -19.5 -40~85 Gen2v2
Impinj Monza 4QT 860~960 128 512 96 N/A -19.5 -40~85 Gen2v2
Impinj Monza 4i 860~960 256 480 96 N/A -19.5 -40~85 Gen2v2
Impinj Monza R6 860~960 96 None 96 N/A -22.1 -40~85 Gen2v2
Impinj Monza R6-P 860~960 128 32 96 EPC: 128 - 96 bits
User: 32 - 64 bits
-22.1 -40~85 Gen2v2
Impinj Monza R6-A 860~960 96 None 96 N/A -22.1 -40~85 Gen2v2
Impinj Monza R6-B 860~960 96 None 96 N/A -22.1 -40~85 Gen2v2
Impinj Monza MX-8K 860~960 128 8192 96 N/A -19.1 -40~85 Gen2v2
Impinj M781 860~960 128 512 96 N/A -23.5 -40~85 Gen2v2
Impinj M780 860~960 496 128 96 N/A -23.5 -40~85 Gen2v2
Impinj M775 860~960 128 32 96 N/A -24 -40~85 Gen2v2
Impinj M770 860~960 128 32 96 N/A -24 -40~85 Gen2v2
Impinj M750 860~960 96 32 96 N/A -24 -40~85 Gen2v2
Impinj M730 860~960 128 None 96 N/A -24 -40~85 Gen2v2
Impinj M830 860~960 128 None 96 N/A -25.5 -40~85 Gen2v2
Impinj M850 860~960 96 32 96 N/A -25.5 -40~85 Gen2v2
NXP UCODE 7 860~960 128 None 96 EPC: 96 - 128 bits
User: 0 - 32 bits
-21 -40~85 Gen2v2
NXP UCODE 8 860~960 128 None 96 N/A -23 -40~85 Gen2v2
NXP UCODE 8m 860~960 96 32 96 N/A -23 -40~85 Gen2v2
NXP UCODE 9 860~960 96 None 96 N/A -24 -40~85 Gen2v2
NXP UCODE 9xe 860~960 128 None 96 N/A -24 -40~85 Gen2v2
NXP UCODE 9xm 860~960 128~496 752~384 96 EPC: 128 - 496 bits User: 752 - 384 bits -24 -40~85 Gen2v2
NXP UCODE G2iM 840~960 256 512 96 N/A -17.5 -40~85 Gen2
NXP UCODE DNA 860~960 224 3072 96 N/A -19 -40~85 Gen2v2
NXP UCODE DNA City 860~960 224 1024 96 N/A -19 -40~85 Gen2v2
NXP UCODE DNA Track 860~960 448 256 96 N/A -19 -40~85 Gen2v2
NXP UCODE 7xm 860~960 448 1024 or 2048 options 96 N/A -19 -40~85 Gen2
NXP UCODE 7xm+ 860~960 448 2048 96 N/A -19 -40~85 Gen2
NXP UCODE I2C 840~960 160 3328 96 N/A -18 -40~85 Gen2
NXP UCODE G2iL 840~960 128 None 64 N/A -18 -40~85 Gen2
Axzon Magnus S3 840~960 128 128 64 N/A -18.7 -40~85(125) Gen2
Quanray Qstar-56GN 840~960 512 2k 256 N/A -19 -40~85 Gen2
Fujitsu MB97R8050-AP15-ES 860~960 160 None 176 N/A -12/20 -40~55 Gen2
EM Microelectronic echo-V EM4425 860~960 480 512 96 N/A -18/20 -40~85 Gen2
RICHRFID|FarsensIoT ROCKY100 860~960 160 1008 96 160ビットのEPCバンク:最大128ビット
96ビットのTIDバンク:最大48ビットのシリアル番号
-14(センサー無)、-10(パッシブモードで外部センサーに電力を供給する場合) -40~85 Gen2
Asygn AS321x 860~960 192 96 48 512(EEPROM:4バンク) -15、13(内蔵センサー)、-12(外部センサー) -40~125 Gen2

選定時の確認ポイント

ICチップを選定する際は、以下のポイントを確認することで、用途に最適なチップを見つけることができます。

  • 読取距離:受信感度が高い(dBmの値が小さい)ほど長距離読取が可能
  • メモリ容量:詳細情報を格納する場合はユーザーメモリの大きいチップを選択
  • セキュリティ:ブランド保護や偽造防止が必要ならGen2v2対応チップを検討
  • 動作環境:高温・低温環境では動作温度範囲を確認
  • センサー連携:環境モニタリングが必要な場合はセンサー対応ICを選択

FAQUHF RFID ICチップに関するよくある質問

主要なUHF RFID ICチップメーカーはどこですか?
主要メーカーはAlien Technologies(Higgsシリーズ)、Impinj(Monzaシリーズ)、NXP(UCODEシリーズ)です。他にもAxzon、Quanray、EM Microelectronic、Asygn、RICHRFID/Farsensなどがあります。
ICチップ選定で最も重要な仕様は何ですか?
用途に応じて異なりますが、一般的には受信感度(読取距離に影響)、EPC/ユーザーメモリ容量、動作温度範囲、Gen2/Gen2v2規格対応が重要です。高感度チップは長距離読取に、大容量メモリは詳細情報管理に適しています。
Gen2とGen2v2の違いは何ですか?
Gen2v2はセキュリティ機能(暗号化、認証)が強化されています。ブランド保護やタグ認証が必要な場合はGen2v2対応チップを選択してください。基本的な識別用途ならGen2でも十分です。
受信感度(dBm)の数値はどう読めばいいですか?
受信感度は負の値で、数値が小さい(マイナスが大きい)ほど感度が高く、より弱い電波でもタグを読み取れます。例えば-24dBmは-18dBmより高感度で、長距離読取や小型アンテナでの読取に有利です。
センサー機能付きICチップはありますか?
はい、RICHRFID/FarsensのROCKY100やAsygnのAS321xは外部センサーとの連携機能を持ちます。温度・湿度・振動などのセンシングデータをRFIDで取得でき、コールドチェーンや資産監視に活用されています。

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